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【ゼウス投信】投資信託「新光US-REITオープン」は高分配利回りだが大損する!?評判の毎月分配型投信を徹底評価!

新光US-REITオープン(通称:ゼウス投信)は人気の投資信託です。

ゼウスといえば、ギリシャ神話の最高神であり仰々しい名前の投資信託となっています。

 

ゼウス投信は高い分配利回りが評判をよび人気の投資信託となっています。

しかし、本当に魅力的な投資信託といえるのでしょうか?

本日はゼウス投信がそもそもどのような投資信託であるかという点を紐解いた上で、ゼウスが抱える問題点についてわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

 

ゼウス投信はどんな投資信託

まずゼウス投信はどのような投資信託かを見ていきましょう。

ゼウス投信は米国REITに投資をする投資信託

投資信託は投資対象を選択します。ゼウス投信は米国のREITに分散投資をする投資信託です。

 

ゼウス投信の仕組み

 

そもそもREITとはどのような商品なのか分からない方も多いと思います。REITは不動産投資信託の英語名であるReal Estate Investment Trustの頭文字です。

REITは投資家から資金を集めて様々な不動産を所有して運営する投資信託です。投資家には賃貸料収入や売買益から管理費等の経費を差し引いた利益を分配します。

REITでは利益の90%以上を投資家に分配することで免税となるので分配利回りが高くなるという特徴があります。

REITのメリットは以下です。

  • 少額から投資が可能
  • 自分で購入すると大口の不動産に分散投資が可能
  • プロにより物件選定と管理を行ってもらえる
  • 通常流動性が低い不動産なのに高い換金性がある

 

ゼウス投信の業種別比率

以下は2023年2末時点でのゼウス投信の業種別構成比率です。

ゼウス投信の業種別構成比率

業種 比率
住居 20.7%
インフラストラクチャー
通信基地局鉄塔やエネルギー関連
13.6%
産業施設 17.2%
商業・小売 13.1%
データセンター 6.5%
医療施設 9.4%
ホテルレジャー 3.3%
貸倉庫 5.4%
オフィス 3.5%

 

住居やインフラストラクチャーは景気に左右されにくい銘柄群となっています。商業・小売やホテルレジャーなどの景気に敏感な業種の組入比率が少なくなっています。

ゼウス投信の構成上位銘柄

以下は2023年2末時点のゼウス投信の構成上位銘柄です。インフラが上位を独占していますね。上位10銘柄で約半分をしめており占有率が高くなっています。

銘柄名 業種 構成比率
エクイニクス データセンター 7.5%
プロロジス 産業施設 7.4%
アメリカンタワー インフラ 7.2%
クラウン・キャッスル インフラ 4.6%
アバロンベイ 住居 4.5%
UDR 住居 4.5%
ウェルタワー 医療施設 4.5%
インビテーション 住居 4.3%
サイモン・プロパティー 商業 4.0%
デューク 産業施設 3.5%
上位10銘柄合計 51.9%

 

構成第一位のエクイニクスは世界各国でデータセンターを保有・運営しているデータセンターREITです。

第二位のプロロジスは企業向けに物流施設や周辺サービスを提供する米国最大の産業施設REITとなっています。

高い購入手数料と信託手数料

投資信託には購入時に購入手数料が発生し、毎年信託手数料がかかってきます。

ゼウス投信の購入手数料は3.3%で、信託手数料は年率1.683%となります。この水準は投資信託の中でも非常に高い部類となります。

1年目には5%もの手数料が発生してしまうのです。これだけの手数料分を取り返してリターンをあげるのはなかなか難しいです。

 

高すぎる分配利回り

ゼウス投信といえば高すぎる分配利回りで有名です。現在、ゼウス投信の月間分配金は25円となります。つまり年間分配金は300円ということになりますね。

2020年9月現在の基準価格約2000円をベースにした分配利回りは15%ということになります。

 

確かにリートは高分配利回りですが、ゼウス投信が投資しているREITから得られる分配金は3.4%です。

投資対象から3.4%しか分配金を受け取っていないにも関わらず、15%の分配金を支払っていることになるのです。

つまり、差の11.6%分に対しては元本から分配金を支払っている特別分配金ということになります。

 

特別分配金とは?

 

投資家はゼウス投信から高い分配金をもらっていると勘違いしている方も多いと思います。しかし、実際は自分が預け入れた投資元本から分配金が支払われているのです。

特別分配金を受け取っているということは、投信に高い手数料を支払いながら、ただお金を引き出しているという行為と同じになります。

以下、特別分配金の罠についてお伝えしていますので参考にいしていただければと思います。

→ 投資信託の失敗談の典型!?金融庁も危ないと指摘する毎月分配型投信の罠についてわかりやすく紐解く!

 

ゼウス投信の成績・利回りは?

では重要なゼウス投信の成績について多面的に見ていきましょう。

ゼウス投信単体の成績

以下はゼウス投信の成績です。分配金を税引前に再投資した基準価格は青色となります。

 

ゼウス投信の基準価格の推移

 

分配金を再投資し続けていれば2004年時点から考えると現時点で約3倍となっています。16年間で2倍というと凄そうに思いますが、年率4%-4.5%の水準となり平均点以下の成績となっています。

また、あくまで青色は税引前の配当金再投資したベースでのチャートです。実際には配当金を拠出した時点で20.315%の税金が差し引かれます。

つまり青色のチャート通りの成績を叩き出すことはできないのです。

ゼウス投信は米国リートや米国株の成績に劣後

同じ期間の米国REIT米国株のチャートは以下です。米国REITはゼウス投信の設定以来の期間で4.2倍となり、米国株は5.2倍となっています。

ゼウス投信が税引前分配金を再投資したベースでも3倍にしかなっていないことを考えると大きな差ですね。

米国REITと米国株のゼウス投信の設定以来のパフォーマンス

ゼウス投信はアクティブ型投信ですが、平均的な成績を叩き出すことすら出来ていないのです。

→ 投資信託は儲からない!?大損しないための投信の選び方を含めてわかりやすく解説する!

 

まとめ

ゼウス投信は米国リートに投資する投資信託です。

ゼウス投信は投資先から得られる分配金が3.4%であるにも関わらず、15%という過剰な分配金を拠出しています。

結果的に高い手数料を払って投資元本から分配金を引き出すという結果になっています。

また、肝心な成績も米国REIT指数や米国株指数に劣後する成績となっています。投資するべきではない投資信託といえるでしょう。

長期的な大きな資産を築きたいという方は、以下で筆者が投資をしているファンドを含めて紹介していますので参考にしていただければと思います。

終わりに

 

>>2023年以降のおすすめの運用先

 

堅実なリターンを積み上げるのに重要なことは安定したリターンを大きな暴落を下げながら積み上げることです。

実際、世界Top10の富裕層に毎年名を連ねる投資の神様「バフェット」は1965年以降、35年間マイナスリターンを回避しながら安定したリターンを積み上げています。

以下のバークシャーがバフェットの運用成績で、S&P500指数はTOPIXの米国版です。

 

バフェットとS&P500指数の年次リターンの比較

 

S&P500指数のように定期的に大きな下落があるような投資先だと不安になり長期投資をするのが非常に難しくなります。

長期的に大きな資産を築くためには暴落を免れるということが非常に重要になってきます。

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

 

筆者がこのような条件を満たす投資先として重宝している投資先としてヘッジファンドがあります。

ヘッジファンドは以下のように大きな下落を回避しながら株価指数よりも高いリターンを安定的にだしています。

ヘッジファンドは指数が下落する時でも安定したパフォーマンスを上げる

 

上記のようなリターンを実現する実現するファンドを選ぶポイントを示すと以下となります。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

ヘッジファンドといえば海外のイメージが強いかと思いますが、日本にも非常に優れたファンドが存在しています。

以下で筆者が投資しているファンドを含めておすすめできるものをお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

 

>>2023年以降のおすすめの運用先

 

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